「春を背負って」【ネタバレあり】

 ブログを書かないと、この116分が無に帰してしまうので書く。

 帰省したので映画を観ました。キャストと映像だけ豪華。あとは全部ダサい。特別大きい事件が起こるでもなく、全体的に動機が薄いまま進んでいく。


・とりあえずBGMがめちゃくちゃダサい。吹雪のシーンになった瞬間昭和の特撮映画みたいなBGMが流れる。映像の綺麗さと昭和BGMのミスマッチに目が点。

松山ケンイチが大手金融を辞めて亡き父の山小屋を継ぐ決意をした背景とか全然わからない。辞めたあとはこの金融時代の話はあんまり出ません。この高スペック設定必要だったか?

・なんの脈絡もなく蒼井優が「母親が死んだとき、私男と不倫旅行してた」という衝撃の告白をして山小屋の空気が死ぬ、と思いきやトヨエツの「この山小屋はみんなの心の避難場所だったんだな」という一言でなぜかいい話になり、「私がマツケンの酸素になってあげる!」と松山ケンイチ蒼井優の距離が近づく。なんでだよ。

・一応の山場として、トヨエツが山小屋で脳梗塞になり倒れる。マツケン新井浩文が交互に背負って下山する道中、脳梗塞のトヨエツが背中からおっこちたり脳みそユサユサ。でもみんなで頑張って運んで一命を取り留める(ほかにも遭難者を救助するシーンが劇中で二件発生するが、基本助かるし道のりの大変さだけがフィーチャーされて深さはない)。脳梗塞から回復したトヨエツが、なごり雪を歌いながら山小屋にふたたび戻ってくるシーンは屈指のダサさ。新井浩文がせっかく作って持ってきた椅子はトヨエツ脳梗塞で流れ、一切触れられないまま終わる。

・注目のラストシーンは、なんか知らんけど思いが通じ合った松山ケンイチ蒼井優が両手を繋ぎ、美しい立山でクルクル回る。マジでなんで? それを見たトヨエツ「あの二人は決まりだな」マツケンママ「そうね」←なんで?

・エンディングは山崎まさよしで相変わらずな感じの歌。役満


 なんか変な映画でした。立山連峰は本当に綺麗なのでそれ目当てなら観てもいいかもしれない。ストーリー目当てで観るなら普通に岳でも観た方がいいんじゃないか。


 これ観る前に、途中まで帝都物語観てたんだけど、話が全然わかんなくてやめちゃった。それで代わりにこの映画つけたら嶋田久作コンボが決まってそこだけちょっと面白かった。そこだけ。キャストだけ観たら面白そうに映るじゃんかよ〜。失敗でした。