「無垢なる証人」

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 帰省する前に東京駅で買ったおみやげ。中身は風月堂のクランチ。左の犬は絵の傷?が眉毛みたいで困り顔になってていいよね。かわいいのかかわいくないのかは微妙なところ。自分はかわいくない寄り。

 

で。

 

> だからといって明日も映画観るぞ!とはならないけどさ。

> たまにでいいよたまにで。 

 

 「たまに」が連続することもある。

 資格の勉強で気が狂いそうだったので結局今日も休憩がてら「無垢なる証人」を見た。昨日映画探してるときにちょっと面白そうだなと思ったやつ。

 大逆転裁判やジャッジアイズみたいなシナリオだったので、そんな感じの激アツ展開くる?と思いきや映画自体は基本静か。でも主人公の底に眠っていた信念が少しずつ熱を帯びて息を吹き返していく様が感じられて、見てるこっちにも熱がうつるようだった。だからこそ裁判シーンはもっと追求があってもいいんじゃないかと思ったりもしたけど、それが話のメインじゃないからなくてちょうどいいのかな。そこはちょっと物足りなかったところ。逆裁のやりすぎか。最後はしっかり泣いた。

 わかりやすくセリフで説明したり派手な表現をせずに伝えるのが韓国映画は本当に上手だと思う。もちろん好みによる話でどっちの方がいいってわけではないけど、個人的にはこういうのが好き。見てても疲れないし。 

 俳優陣は演技もうまけりゃ顔も良くてどこから見てもカッコいいしキレイ。それだけで退屈しない。検事役のイ・ギュヒョンはキンプリの岸くんにそっくりで出るたび「似てるー!」って思ってたけど、あとで検索したら誰も似てるって言ってなかった。

 

追記※ネタバレ含みます

 今ふと思ったこと。主人公は自閉症に対する偏見をあらため、ジウという存在をいろんな人間のうちの一人であると認めた。しかしながらこれはジウが「特別な才能」を持った自閉症の子どもだからであって、もしジウが持たざる者だったら、はたして主人公はどうしただろうか? 証言は真実だけど、「真実を話している」と法廷に認めさせるだけの力をジウが持たなかったら?

 ジウは最後まで「特別な子」だった。自閉症の人のみんながみんなパズルが得意だったり、一瞬でモノの数を数えられたり、常人を超えた記憶力を持ったりしているわけではない。この映画は「自閉症だってひとりの人間だ」と伝えた一方で「自閉症は特別な才能を持っている」という偏見も伝えてしまったかもしれない。そこまで描ききるには尺は足りないし、これは教育ビデオでもない。ただ、すごくいい映画だった、と私が冒頭に書けなかったのはそこになんとなく違和感があったからかもと思った。