新版(日本語訳)のほう。「言語を絶する感動」と評されている本だけど、文章は淡々としており、書いてあることについて、たしかにそうであると思いながらしみじみ読んだ。新版を担当した訳者の池田香代子さんのあとがきによると、旧版(1956年)と新版(1977年)では随分異同があるそうなので、旧版を読んだら印象はかなり違うのかもしれない。いつか読んでみる。
ところで途中引用されている「テヘランの死神」というイランの寓話について、聞いたことがなかったので調べてみたものの、原典がよくわからなかった。一応英語でも調べてみたけど、どれもこれもこの「夜と霧」の話しか出てこない。
本文には「ここでだれしも、テヘランの死神という昔話を思い出すのではないだろうか」と書いてある。私は「す、すみません、知りません」となったんだけど、当時はよく知られていたんだろうか。ペルシア語がわかれば辿り着けたのかなあ。迷宮入りしました。