慰労会

 本当に嬉しかったことはちゃんと書いておこうと思う。

 お仕事を頑張ったから、お偉い上司が、私と私の直属の上司と後輩の3人、どこか食事に連れて行ってくれるというので、ステーキをリクエストしたら想像の500倍いいところだった。私は高級レストランに全然行ったことがないんですが、プロはオーダーのメモを取らないんだ……と感動した。私なんてアルバイトしてたときメモしてても間違えたのに。そしてコミュニケーションがとにかく上手。接客にマニュアルはないのだ。

 このお偉い上司は立場も立派なんだけど中身も大変立派で、柔軟な視点でものごとを捉え、また部下に対して惜しみない労いをくれる(このステーキみたいに)。遅くまで仕事をしているときはいつも心配してメールをくれたり、会議で別のお偉いさんに酷く怒られたときは「気にしなくて大丈夫」とひとことくれるのである。自分にとって上に立つ人というのはこういう人だ、ととても尊敬している。この人に「あなたは根性あるね」と褒められたことは今後支えになるに違いない。

 直属の上司(焼肉連れて行ってくれた人)にしても、困っていることがあればすぐに相談に乗ってくれ、失敗すればフォローもしてくれ、同じように労いをくれ、まあ仕事はとにかく多いし締め切りも早い職場なんだけど、まわりの人たちには本当に恵まれていると思う。

 ところでこのお偉い上司は海外経験が豊富なので、「今度ヨーロッパ旅行をする予定なんですが、おすすめの国はありますか?」といろいろと聞いていたんだけど(一番美しかった国はウクライナとのことでした。現状を思うととても残念です)、その中で私が一番嬉しかったことがあり。話の最中で私が「どうしてもアウシュヴィッツに一度は行ってみたくて、ポーランドは必ず旅行したい」と言ったら、誰も「なんで?」と返したり、笑ったりしなかった。その場にいたみんなが真剣にうんうんと頷いてくれて、なんというか私はこういう人たちと一緒にいたいんだ、とものすごく強く感じた。「そういう反応」を頻繁に見てきた自分にとっては、それが普通のことと受け止められたのがとにかく嬉しかったのでした。真剣に話したら真剣に聞いてもらえる、そういう相手は素晴らしい。自分もそうでないといけない(人に求めるならね)。

 いろいろとごちそうさまでした。そしてありがとうございました。